◆ 朴憲郁、平野克己(他)著
◆ 日本キリスト教団出版局
■ 本書は、書物というよりワークブックに近い。より正確には「十歳から十五歳の子どもたちを心に置きながらつくられて」いる、洗礼・堅信(信仰告白式)のための「プログラム」である。十歳から十五歳と聞いて、「早すぎる」とお感じになる方もいらっしゃるだろう。しかし著者らの確信は、「信仰にとって最も中心的な事柄は、わたしたちがイエス・キリストを選ぶことではなく、父なる神がイエス・キリストにおいてすでにわたしたちを選び、聖霊によって信仰の心を呼び覚ましてくださること」にある。そして幼児洗礼を授けられたこと、教会学校に通っていること。「そこにすでに、感謝すべき『神による選択』があ」ることを見つめている。十代、二十代に関わる方々だけでなく、できるだけ多くの方に、まずは「はじめに」(三~八頁)をお読みいただければと願う。私たちの教会にとって、また日本の教会にとって、今、必要な多くの気づきが与えられるのではないだろうか。
(2019年10月、伝道師 川嶋章弘)