主の祈り―講解説教

  • ヴァルター・リュティ著/野崎卓道訳 ◆ 新教出版社
教会の本棚

◆ ヴァルター・リュティ著/野崎卓道訳
◆ 新教出版社

■ 今回ご紹介する本は、度々登場しております、わたしの大好きなリュティ牧師の「主の祈り」の講解説教を収めたものです。この説教は、バーゼルの教会で一九四五年~四六年の間に語られたと推測されています。これは戦後間もない時であり、説教集の一番目の「父」という説教では、冒頭から広島・長崎の原爆投下のことが出てきます。訳者は、この時期にリュティが「主の祈り」の説教に取り組んだ理由を、「大戦後、建物だけでなく、ヨーロッパの人々を支えていた宗教的信仰的、精神的な支柱が崩壊し、瓦礫と化した廃墟の中で、もう一度、神の御言葉の説教を通して、御国建設のために奉仕する信仰を確立し、ヨーロッパの再建に取り組もうとした…なぜなら、主の祈りには、戦後の廃墟の中で人々が見失っていた『神の救いの御心』がはっきりと示されているからです。」と述べています。荒廃の中で語られた十二回にわたる「主の祈り」の説教は、力強く、神の愛と、救いの御心、まことの希望を宣べ伝えています。

(2018年4月、伝道師 乾元美)

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