十字架上の七つの言葉

  • 加藤 常昭著 ◆ 教文館
教会の本棚

◆加藤 常昭著
◆ 教文館

■主イエス・キリストは十字架に架けられて死なれました。このことは歴史的出来事として見るならば、一人の犯罪人に対する死刑執行です。しかし、キリスト者は、信仰によって、このことを救いの出来事として受け入れています。神の子が人間の罪を贖うために自らを犠牲にされたのが十字架の出来事なのです。聖書は全体で、神様による人間を救おうとされる救いの歴史を証言しています。しかし、その中心は主イエス・キリストの十字架です。主イエスの十字架を見つめる中で、神様の救いが示されるのです。
 地上を歩まれた主イエスの歩みを記しているのは聖書に収められている四つの福音書です。これらの福音書に記されている、主イエスが十字架の上で語られた言葉は全部で七つです。本書はこの七つの言葉をテーマにして、日本を代表する説教者がメッセージを語っています。七つの言葉を一つ一つ味わう中で、主イエスの十字架に、私たちを救おうとされる神様の御意志が貫かれていることを知らされます。
 この本は、著者の豊かな聖書解釈に加え、カルヴァン・ルター等の宗教改革者の著作、日本を代表する説教者の説教等からも豊富な引用がなされています。又、ところどころに十字架を題材にした、絵画や彫刻の写真が挿入されています。主イエスの十字架を自らの救いの出来事として受け入れた先達の信仰によって、より豊かに主イエスの恵みが示されます。
 すでに、キリストを救い主として受け入れておられる方も、まだ受け入れておられない方にも読んでいただきたい本です。共に、主イエスの十字架で語られた言葉に聞き、神様の救いの豊かさを知らされたいと思います。

(2006年11月、伝道師 嶋田恵悟)

TOP