よくわかるイスラエル史―アブラハムからバル・コクバまで

  • S・ヘルマン、W・クライバー著(樋口進訳) ◆ 教文館
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◆ S・ヘルマン、W・クライバー著(樋口進訳)
◆ 教文館

■ イスラエルの歴史を知ることによって旧約聖書の理解が深まるのは言うまでもない。しかし日本語で読めるイスラエル史の本は大部のものが多く、手軽に読めるものがほとんどない。その点、本書は翻訳で二〇〇頁程であり、比較的コンパクトで読みやすい。簡潔ながらも聖書の記述を重んじ充実した内容となっている。本書は二部構成で、第一部が「アブラハムからアレクサンドロス大王までの旧約時代のイスラエル史」、第二部が「アレクサンドロス大王からバル・コクバまでの中間時代と新約時代におけるイスラエル史」である。第二部のタイトルから分かるように、本書はキリスト教の初期の時代に至るイスラエル史を扱っているため、旧約聖書のみならず、新約聖書の時代背景を知ることができる。翻訳に多少読みにくさを感じるが、イスラエル史を学ぶための良書である。また、豊富に取り入れられている年表や地図は、聖書を読む助けとなるだろう。

(2022年6月26日、副牧師 川嶋章弘)

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