神とパンデミック―コロナウイルスとその影響についての考察

  • N・T・ライト著(鎌野直人訳) ◆ あめんどう
教会の本棚

◆ N・T・ライト著(鎌野直人訳)
◆ あめんどう

■ 七月の聖句についての奨励の中で、左近豊先生の講演「COVID-19に閉ざされた世界の中で紐解く旧約聖書」が紹介された。その講演において、左近先生が紹介している本のひとつが本書である。本書は、著者が『タイム』誌に短い記事を書いたことがきっかけで書かれた。(この記事はtime.comで読める)。著者は英国の新約学者で多数の著作があり、この数年、翻訳も多数刊行されている。今年の七月から新約聖書注解の刊行も始まった。
この一年半、私たちはキリスト者としてコロナ禍において提起されてきた問いにどのように答えたら良いか悩んできたのではないだろうか。本書は、答えを出す前に、「嘆く時、自制する時、『解決策』にすぐ飛びつかない時」が必要であることを旧新約聖書から示している。著者によれば、教会の使命は「世界が痛んでいるその現場で祈る、それもことばにならない祈りを祈ること」にある。教会に連なるすべての方に一読をお勧めしたい書物である。

(2021年8月29日、伝道師 川嶋章弘)

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