◆ ヘンリ・ナーウェン著（小渕春夫訳）
◆ あめんどう
■ 「あなたは愛されています。」
この一言こそ、著者が友人に伝えたかったことである。この小さな書物は、著者が晩年に、世俗社会に生きる友人に向けて「霊的生活」について記した手紙である。著者はカトリックの司祭であり、本書には、私たちとは異なる信仰理解も見受けられるが、著者の社会への深い洞察とそこで苦しんでいる人たちへの温かい眼差しは深く心に残った。著者は友人に、霊的生活は「この世界を離れることでも、あなたの野心や向上心を拒否することでも、お金や名声や成功を軽蔑することでもなく、あなたに与えられている霊的真理を受け止め、この世に属さない者としてこの世に生きること」（一四四頁）であると語っている。この「霊的真理」こそ「神に愛されている」ということにほかならない。
私たちの大切な人たちが、神様の愛を知らずに世俗に生きている。その人たちに私たちは語る言葉を持っているだろうか。
「あなたは神さまから愛されている。」そう伝えたいと願う。
（2021年6月27日､伝道師 川嶋章弘）
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