◆ 及川信著
◆ 日本キリスト教団出版局
■ 本書の目的は、著者によれば、「ルカ福音書を読み通しながら神の語りかけを聴くこと」にある。九月に下巻が刊行され、上下巻合わせて八〇の黙想を通して、ルカ福音書全体を読み進めることができるようになった。ルカ福音書を一冊の書物として、その文脈を重んじつつ、要所要所で一つの言葉の意味を掘り下げて黙想を深めている。聖書と共に、本書を読み進めていく中で、ルカ福音書が描く主イエスの「旅」を通して神と出会い、その救いの歴史を深く味わうことができるだろう。
また本書は、一人で読むだけでなくグループで読むのにも適している（青年会ではオンラインで本書を用いて学びを行っている）。共に読み分かち合うことによって、一人で読むときとは違う新しい気づきが与えられるのではないだろうか。
下巻の後半は、昨年、新型コロナウイルスの感染が広がる中で書かれたものであり、その危機の中で、神の語りかけに聴いている。
（2021年10月31日､伝道師 川嶋章弘）
