◆ G・プラスガー著/芳賀力訳
◆ 教文館
■ すでに「図書だより」第一二号で本書が紹介されているので、お読みになった方もあるかもしれない。私たちの教会では『ハイデルベルク信仰問答』を継続的に学び、また求道者会においてもテキストとして用いている。教会が何を信じているのかについて学ぶためである。しかし、自力でこの問答書の学びに取り組むことには難しさを感じる方も少なくないのではないか。問と答、証拠聖句のみから成る問答書の学びには、助けとなる本が必要となってくるだろう。本書は、問答書全体を注釈しているのではなく、キリスト者にとって根本的な一四の問いと主題について、問答書との対話を試みている。対話を通して、四五〇年ほど前に書かれた問答書が、現代を生きる私たちにとって決して古びたものではなく、私たちの信仰の「道しるべ」となることを明らかにしているのである。著者は『ハイデルベルク信仰問答』にはたくさんの宝が詰まっていると述べている。本書を通して、私たちはその宝を少なからず発掘できるのではないだろうか。
(2020年4月、伝道師 川嶋章弘)