◆並木浩一著
◆『アモス書を読もう 正義を大河のように流れさせよ』(日本キリスト教団出版局、二〇二六年)
◆アモス書をご存知だろうか。旧約聖書には「十二小預言書」と呼ばれる十二の小さな預言書が収められている。その三番目がアモス書である。アモス書が現在の最終的な形になるまでには複雑な編集過程があるが、その源にあるのは預言者アモスの言葉とその精神である。アモスは南王国ユダの人で、紀元前八世紀の中頃に隣国の北王国イスラエルで短い期間、預言者として活動した。アモスの時代、北王国はヤロブアム二世の統治の下で繁栄を謳歌していた。しかし社会の繁栄は、貧富の格差の拡大と共同体の崩壊をもたらし、神が期待する公正と正義を失わせた。アモスはその現実を厳しく批判し、神の裁きを預言したのである。アモス書は、長期に亘る編集作業を経て完成したが、本書の特色は、後の編集を「各時代の多様な思いが書き込まれていてなかなか興味深い」と積極的に評価しつつ、「アモスの精神が創造的に継承され」ていると見る点にあるだろう。このアモスの精神による批判は、現代の私たちの社会にまで及ぶものである。
副牧師 川嶋 章弘