21世紀のキリスト教入門―1つの教会の豊かな信仰

  • フスト・ゴンサレス著(神代真砂実・髙野佳男訳) ◆ 教文館
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◆ フスト・ゴンサレス著(神代真砂実・髙野佳男訳)
◆ 教文館

■ 「教理は難しい」、「教理は窮屈だ」、「教理が大切なのは分かるけれど、現代を生きる私たちとどのように関わるのか分からない」。そのような思いを持っておられる方も少なくないと思う。ぜひ、本書を読んでみていただきたい。本書は、教理について分かりやすく説明しているだけでなく、読みごたえのある豊かな内容で、わくわくしながら読める。また教理がどのように現代の課題や、私たちの信仰生活に結びついているかに注目している。冒頭から著者は、教理が「危険な崖から私たちを遠ざけるための塀の役割を果たしている」と繰り返し述べている。「教理の塀」は私たちを閉じ込めるのではなく、広大で肥沃な「信仰という台地の安全な境界を越えてしまう」ことから私たちを守ってくれる。つまり教理は、私たちに窮屈さをもたらすものではなく、安全な「信仰という台地」の上にある大きな自由を与えるものなのである。本書と共に、その台地の上を自由に冒険してみたいと願う。

(2022年12月25日、副牧師 川嶋章弘)

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