◆ ドナルド・K・マッキム著/原田浩司訳
◆ 一麦出版社
■ 宗教改革500年を記念する今年、関連の本が数多く出ています。本書は、宗教改革運動の引き金と言われる、ルターの「95箇条の提題」に因んで、95の問いと答えの形式で宗教改革について整理し、解説するものです。前半は「歴史」、後半は「神学」と二部構成でまとめられています。本書の素晴らしい点は、有名どころの改革者だけではなく、改革の先駆者や主流派以外の改革者も紹介していること、またプロテスタント間で起こった問題や、その後の展開、影響、そしてわたしたちにとっての意義に至るまで、大変幅広い視点を提供してくれるところです。また一つの項目は約1ページ半程度で大変簡潔にまとめられています。宗教改革のやさしい入門書でありながら、多角的に学ぶことが出来る良書です。個人的には日本であまり知られていないマルティン・ブツァーの項目があったことに感動しました。ブツァーはカルヴァンに大きな影響を与えた人物です。宗教改革500年を機に、名前だけでも憶えてください!
(2017年10月、伝道師 乾元美)