◆ 安野光雅作
◆ 福音館書店
■ 小さい時に何度も繰り返して見たお気に入りの絵本のひとつが、この『旅の絵本』シリーズでした。世界各国の街並みや風景を旅人と一緒に辿っていく絵本です。今回はその中でも特に『旅の絵本Ⅱ』イタリア編をご紹介します。初版は一九七八年ですが、着色しなおし、作者が巻末に解説を加えたものが「改訂版」として出されています。実はイタリア編をよくよく見てみると、絵のそこかしこにイエスさまのご生涯がこっそりと書き込まれています。改訂版は解説にそのことが書かれていますが、初版は解説がありませんでした。私が見ていたのは初版で、それを発見した時の喜び、驚きは大変なものでした。小さい時は気付かなかったけれど、少し大きくなってから見つけたのです。最初に楽園追放、受胎告知、三人の博士、降誕…最後の晩餐、ゲツセマネの祈り、ゴルゴタの丘まで。有名な絵画や、童話のシーンも紛れ込んでいます。買うもよし、家の棚から引っ張り出してもよし。ぜひ絵本の中を旅しながら、イエスさまのご生涯を探してみて下さい。
（2018年12月、伝道師 乾元美）
