◆ ウィリアム・H・ウィリモン著
◆ 日本基督教団出版局
◆ 208頁/2,310円(税込)
■ 本書の原題は「生活に満足している人への福音」(The Gospel for the Person Who has Everything)です。邦題は原題を生かしつつ、さらに著者の主張を明らかにするために「教会を必要としない人への福音」となっております。
まだ、教会へ行ったことがない方や教会に馴染みの薄い方は「教会とはどんなところか、教会とはどんな人たち集まるところか?」と問いを持つのではないでしょうか。また、自分は教会に行かなくても、信仰などなくても既に充分に幸せである。「教会なしにやっていけますから」と考えられる方もおられるでしょう。
著者は、この本を通してこのような人たちへ教会は何を与えることができるか具体的にメッセージを組み立ています。教会の必要性を説き、最初に「あなたには問題があります」という罪の指摘から入る伝統的な説教スタイルの問題点を指摘しています。それに代わる新しいスタイルとは、最初に「強い人」の強さを認め、それを神からの贈り物と呼ぶことから語りかけはじめ、次に「強い人」が抱えている独特な罪を指摘し、要求し、預言者的な裁きの言葉を語るべきことを述べています。私たち人間が神に愛されている、その愛から出発する語りかけ方を強調しています。
また本当の強さ、本当の力が何であるか、信仰とは何であるか、教会の豊かさ、キリスト者の生き方などが語られています。信仰者にとっても自分の信仰が問われる本であります。また、教会とはどのような場所か興味、関心がある方にも一読頂きたいと思います。
(2009年11月29日、伝道師 宍戸ハンナ)