牧会者カルヴァン‐教えと祈りと励ましの言葉‐

  • J・カルヴァン著/エルシー・A・マッキー編/出村彰訳 ◆ 新教出版社
教会の本棚

◆ J・カルヴァン著/エルシー・A・マッキー編/出村彰訳
◆ 新教出版社

■ 改革派の教会において最も重要な人物の一人であるカルヴァン。皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。法律にも通じ、教会を改革し、教皇派と舌鋒鋭く戦い、教理を体系的にまとめた『キリスト教綱要』を著し、頭脳明晰でお固くて厳しい人だったんじゃないか…。半分当たっているかも知れませんが、カルヴァンが自分のことを「生来非社交的で・恥ずかしがりやであり、常に静けさを好んでいた」「引っ込み思案」「臆病で優柔不断」(本書収録『詩編註解』序文より)と語っているのは、意外ではないでしょうか。本書は、祈り、説教、綱要、手紙等のカルヴァン自身の言葉から、その人物像を浮かび上がらせます。激しい宗教改革の戦いの中で、恐れや不安を覚えながらも御言葉に立ち、神に縋り、神に信頼し、人々の信仰生活に心を砕き、友人を愛した、一人の牧師カルヴァン。本の帯の「牧会者の真面目」というコメントに納得です。

(2018年8月、伝道師 乾元美)

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