◆棟居正著
◆『はじめてのヨハネ福音書』(日本キリスト教団出版局、二〇二五年)
◆本書は、著者の「少しでも多くの方々に聖書の力で養われていただきたい。日常の家庭で聖書を読んでいただきたい」という願いから生まれた。特にヨハネ福音書が「『イエスをキリストと信じる』ということの本質を伝えようとしている」ことを受けとめて著されたものである。本書では、ヨハネ福音書の各章のまとまりごとに、そこで語られていることが丁寧に、分かりやすい言葉で説明されている。
著者はキリスト者として八〇年余りを歩んでこられた。それは戦後の歩みにほぼ重なる。時代が大きく変化する中で、著者は聖書を単なる知識としてではなく、ご自身を生かす神の言葉として聞き続けてこられたに違いない。だから本書においても、随所で著者の信仰が表れている言葉に、またその豊かなご経験に根ざした言葉に出会うことができる。本書を手引きとして、ぜひヨハネによる福音書をお読みいただければと思う。併せて、先に二〇二三年に刊行された著者による、『はじめてのマルコ福音書』もお勧めする。
(2025年6月 副牧師 川嶋 章弘)