◆川﨑公平著
◆日本キリスト教団出版局
◆本書は、これまでも何冊か紹介してきた、「『読もう』シリーズ」の一冊である。著者はあとがきで、「使徒言行録は本当におもしろい。……教会の生活をしている人にとっては」と記している。この使徒言行録のおもしろさを、本書を共に読むことで、より一層味わうことができるだろう。なぜなら本書において著者が、使徒言行録の物語を、「教会に生かされている私たち」の物語として語り直しているからである。私たちは本書を通して、使徒言行録のあちらこちらに、私たちの教会の姿を、そして私たちの教会を生かし、支えている聖霊なる神の働きを見いだすことができる。また私たちは、使徒言行録に記されている最初期の教会の姿から、伝道とは何かを示される。来年一月二六日に行われる「教会全体修養会(指路交流会)」の主題は「伝道」である。使徒言行録と共に本書を読むことは、その良い備えとなるだろう。
著者の聖書の深い説き明かしと、軽快な文章がとても魅力的な本でもある。一読をお勧めする。
(2024年12月 副牧師 川嶋章弘)